2025.10.16
近年の地金価格の高騰について
近年の地金価格の高騰について

近年、金やプラチナといった貴金属の価格が世界的に高騰しています。
特に、金やプラチナは世界情勢や金融市場の影響を受けやすく、その価値が上昇傾向にあります。
背景には、国際的な不安定要素による「安全資産」としての需要の高まりや、鉱山資源の減少、為替変動など、さまざまな要因が重なっています。
その上昇傾向は、この数年でさらに加速し、その価格は過去にないほど高騰しており、ジュエリー業界にも大きな影響を与えています。
地金価格が上昇している背景
まず、この地金価格高騰には複数の国際的な要因が関係しています。
・安全資産としての需要の増加
世界情勢が不安定になると、投資家は価格が比較的安定している金やプラチナなどの貴金属に資産を移す傾向があります。
特に、金は「有事の資産」と呼ばれ、株式や不動産市場が揺らぐ時期ほど価格が上昇しやすくなります。
・為替の影響(円安)
日本では円安も大きな要因となります。
地金は国際的にドル建てで取引されるため、円の価値が下がると、同じ金額の地金でも円換算では価格が高くなります。
・資源量の減少と供給不安
金やプラチナの鉱山資源は限られており、採掘コストの上昇や供給の制限も価格を押し上げる要因となっています。
実際の価格の推移
具体的な数字で見ると、この数年の価格上昇は非常に顕著です。
国内の金の小売価格は2020年に、金は1グラムあたり5000円代後半から6000円代でした。
2022年には8000円を超え、2024年の初めに10000円を上回り、2020年の約2倍となりました。
さらに価格は上がり続け、2025年9月時点では18000円と、2020年の約3倍まで価格が上昇を続けています。
プラチナの小売価格は、金に比べて緩やかな上昇でほぼ横ばいでしたが、2025年6月から急激な価格上昇が見られています。
先のことなので確かなことはわかりませんが、様々な角度からも、金とプラチナの価格上昇はしばらく続く見込みとされています。
ジュエリー業界への影響
地金価格の上昇は、ジュエリーの販売価格にも大きな影響を及ぼします。
ジュエリーの価格は、素材費・加工費・デザイン費・ブランド価値などでいくつかの項目で構成されていますが、その中でも地金代が占める割合は非常に大きいためです。
例えば、先程の地金価格の推移で触れた、2020年時に5gの金で作られたジュエリーの地金代の原価は¥6000x5=¥30000に対し、
2025年9月時では¥18000x5=¥90000と単純計算で3倍の¥60000の差が生じることになります。
あくまで純金での計算で一概には言えませんが、原価でこれだけの違いが出るという事は、商品の販売価格となればそれ以上と推測されます。
金やプラチナの価格が高騰するという事は、ペンダントでいえばトップだけの話ではなくなります。
ペンダントにはネックレスチェーンが付きます。もちろん、このネックレスチェーンも金やプラチナで出来ており、地金の高騰と共にチェーンの値段も上昇しています。
ただし、これは同時に「ジュエリーの資産価値」が高まっていることも意味します。
金やプラチナは経年劣化が少なく、資産としての価値を保ちやすい素材です。
購入したジュエリーの価値も同時に高まっており、ジュエリーの選び方や持ち方にも影響があると言えます。
今後の見通しとジュエリー選びの考え方
今後も地金価格は、世界経済の動向や為替の影響を受けながら推移していくと考えられています。
短期的に上下する可能性はあるものの、長期的には高止まり傾向が続くと見られているため、ジュエリー購入のタイミングもますます重要になってきます。
そのなかで大切なのは、“価格”だけでなく“価値”で選ぶことです。
素材そのものに価値があるジュエリーは、時代を超えて大切に受け継ぐことができます。
また、単なるファッションとしてではなく、“資産としてのジュエリー”という視点を持つ方も増えていくことも考えられます。
その上で、自分自身を彩る輝かしいジュエリーを、地金だけでなく、つくりや想いも合わせた“価値”で楽しまれてもいいのかもしれません。
まとめ
地金価格の高騰は、たしかにジュエリー価格に影響を与える現実的な要素です。
その上で私たちは、地金価格の変化を丁寧に見つめながら、お客様が安心して選べるジュエリーをお届けすることを大切にしています。
「ジュエリーに興味をもってくれる人を少しでも増やしたい。ジュエリーを身に着ける楽しさを少しでも知ってもらいたい。」
との創業からの想いと共に、時を経ても変わらない輝きを持つ地金のように、ジュエリーが長く愛され、次の世代へと受け継がれていく
──そんなジュエリーをこれからも伝えていきたいと考えています。
Fruor